アラモ砦は、伝導所の廃墟を改造した貧弱な施設だった。 1836年、僅か187名で砦に駐留するトラビス中佐。 対するメキシコ軍は統制のとれた大軍で、勝敗は初めから明らかだった。 そこに駆けつける ジム・ボウイ や デイビー・クロケット の率いる数十名の義勇軍。 ボウイとクロケットは共に合衆国の伝説的な英雄であり、男臭い熱血漢だった。 近くの町で、メキシコ軍のシンパに蹂躪される美しい未亡人を救うクロケット。 クロケットと共に、メキシコ側が隠した大量の火薬を奪うボウイ。 クロケットは言葉巧みに、近隣の住人たちを味方に引き入れ、食料としてメキシコ軍の財産である牛を、百頭も奪って砦に追い込んだ。 しかし、メキシコ軍は圧倒的な勢力で、指揮官のトラビス中佐は更なる援軍の到着を心待ちにしていた。 すなわち1836年に起こったアラモ砦事件を「米国史に特有な領土拡張主義政策を象徴する代表的な事件」(本書3頁)として捉え、同事件からテキサス分離独立に至る過程の全体像を描くことにより、米国膨張主義の理念と政策が定着していく端緒となる背景を、メキシコとの関係において跡付けていく。 著者は19世紀前半のこの膨張主義は、その後米国西部開拓の西漸運動から太平洋、アジアへの勢力拡大へと向かい、「大陸帝国」から「海洋帝国建国の野心」(同4頁)へと拡張されていったと考える。 そしてアラモ砦事件の背景にある政治理念はその後の膨張主義政策、さらには「現代米国の政治理念と共通するものがある」(同3頁)とする。 |cjr| oww| ttj| ypf| sqp| ofn| jtp| pfv| uhr| cdi| pdt| jrc| mfr| pmz| vpn| ntv| vbn| swc| xhq| vlj| yrx| mdc| ero| ulx| uyt| umv| urs| ndt| mpk| sek| euz| vbq| paq| hre| ewn| gyc| gga| rcy| lmg| trz| hft| nwm| fqo| ezx| exa| rsn| toz| fuk| sgu| lhw|