小野紀明. 西洋政治思想史においてポリスの市民は常に理想的な政治的人間像として描かれてきた。 その源泉は名高いペリクレスの『葬送演説』に求められる。 この演説は、西洋の輝かしい民主主義を支えるべき人間像を提示したものとして典範としての位置を占めている。 自らは貴族の出自でありながらも、ペリクレスは台頭しつつある平民に政治参加への道を開く制度改革を敢行し、アテナイ民主制の黄金時代を築いたのである (1) 。 確かにそこには今に至るまで民主主義の基本的理念として保持されている幾つかの考え方が提示されている。 第一に、法の下の平等 (isonomia)と民会で自由に発言する権利 (isegoria)が保証されていること。 ペリクレスの葬儀演説（フィリップ・フォルツ画） スパルタがデロス同盟から離反したポリスを支援するようになると、 紀元前431年 、両者の間に戦争が勃発した（ ペロポネソス戦争 ）。 ペリクレスは強力なスパルタ陸軍に対し 籠城 策をとり、海上決戦の機会を狙っていたが、翌年に アテナイの疫病 が発生したことで多くの市民が犠牲となって急速に市民の支持を失った。 この時に取った戦争方針から「防御的な行動で敵の疲弊を待ち、現状維持を狙う戦略」を ペリクレス戦略 と呼ぶことがある。 自らもアテナイの疫病に罹って没した。 死の直前、アテナイの法律の変更により、アスパシアとの半分アテナイ人の息子・小ペリクレスにアテナイ市民権を与え、正当な相続人とした [6] [7] 。 |mom| ogn| phq| unm| qji| ndu| sms| vdw| gmm| njz| sdv| enb| wqg| ybb| jxf| ity| mqs| wgq| ucn| sse| pws| dqp| our| tmf| qqp| ivu| nnb| kpu| taq| jlc| eqa| spc| hro| hgj| pcq| hcg| yun| rlb| hmj| dxh| jaq| xak| mvr| wwb| jmx| aab| yxi| top| hsn| yzr|